笑点の低い人の涙もポイント低い

上記の広告は90日以上記事の更新がないブログに表示されます。新しい記事を書くことで、こちらの広告が消せます。

  

いやいや、私は何も全然。星村苑自体卓悅化妝水は東雨宮の経営じゃないし、私は星村リゾートから派遣されているのでね。長い付き合いでしたから、雨宮家のことはよく存じていますが。まぁ、なんていうか、残念ですね」
すみませんでした」
そーんなぁ、お嬢さんが謝ることなんてないんです。またいつでも遊びにいらしてくださいよ！綺麗に掃除して待っていますから！皆さんにも宜しくお伝えください！」
はい。」
葉月は微笑み、頭を下げた。
あの、一つお願いがあるんです」
なんでしょう？」
もしよろしければなんですが、私たちのサマーキャンプの写真、一枚頂けませんか？」
葉月が言うと、管理人の表情が曇る。
あ、無理ならいいんです。管理人さんの思い出の写真って言ってましたものね」
図々しかったかな、と葉月が慌てて手を振ると、管理人は苦笑する。
いや、差し上げたいのは卓悅化妝水やまやまなんですがねぇ。警察の方に押収されてしまいまして」
そう、だったんですか」
敦さん。いらしたんですよ」
え？」
お嬢さんには内緒にしてくれって、仕事だからって」
そうだったんですか」
会って行かれたらどうですかって言ったんですがねぇ。仕事中なんでって同僚の方と管理人室に残っていた星村研究所の資料やら記録やらを持って帰っていかれましたわ。お忙しそうでしたよ」
そう、みたいですね」
ああ、それで思い出した」
え？」
管理人はカウンター下の書類をごそごそあさる。
これ、敦さんから預かってます」
葉月は心臓を鷲掴みにされたように、一気に動機が走る。
一枚の封筒を渡され、葉月はそれをしっかりと両手で持った。
ありがとうございます」
確かにお渡ししました。お嬢さんも大変でしょうが頑張ってくださいね」
お世話になりました」
葉月は深々とお辞儀をしてから管理事務所を後にする。
その封筒に何が入卓悅假貨っているのか、開かなくても分かる。
葉月は星村研究所の前の庭に、12年前と同じ様に座り、空を見上げて深呼吸をする。
ザンが少し距離をとって着いて来て、転がっていたバスケットボールを手にした。あの頃と同じようにゴールにボールを投げ入れる。